学会賞受賞記念講演
2024年 9月29日(日) 10:00 – 11:00
記念講演
「 私はどのくらいパーソン・センタードになり切れていないか?」
関西大学 人間健康学部
中田行重 先生
学会賞という立派な賞をいただき恐縮しています。わが国のPCAの発展に貢献した、という評価をいただいたのですが、自分ではよく、パーソン・センタードになり切れていない、と思うことがあります。PCAは絶滅危惧種、という言葉が数年前よく言われました。私もPCAの存続の危機をあちこちで訴えてきたので、その考えは今も共有しています。しかし、地球温暖化をいくら心配しても地球の温度は冷えないのと同じように、PCAの危うさを訴えるよりも、出来るアクションをすべきと思うようになりました。
では、何をするか? と考えてもなかなか考えが進まない最中にいます。その理由の一つに自分のパーソン・センタードネスの不十分さを痛感することが増えてきました。今回、この機会に恥ずかしながらその思いの一端をお話しさせていただこうと思い、学会賞にしては風変りなタイトルになりました。relational depth論やPCA論など、学術的な内容も含みますが、私の自己採点のような面もあることをご了解ください。
講師紹介
中田行重
関西大学 人間健康学部
プロフィール
九州大学で村山正治先生に学び、以後、下関市立大学から東亜大学、そして現在の関西大学に2003年から赴任。修士論文はフォーカシング、博士論文はエンカウンター・グループについて書き、現在はパーソン・センタード・セラピーの指導者のようになっているが、自分ではまだまだと思っている。
PCA-Kansai代表。
主要著書
翻訳書「深い関係性がなぜ人を癒すのか」(斧原藍氏と共訳)(創元社)
「パーソン・センタード・セラピーの実務」(創元社)など